■HOOP IN THE HOOD 2011 CHAMPIONSHIP REPORT text by Mr.KOU

今年も王者を決める5月5日がやってきた。 震災の影響によりミズノフットサルプラザ千住インドアコートでの開催となったが、 その熱さはまったく変わらないだろう。
ただ1つの王者の椅子を巡る戦いの中、"下克上"は起こるのか、それとも。

◆一回戦:S.H.U VS ちきゅう

HITH平塚王者S.H.Uと、HITH新潟王者ちきゅうの対決。 試合はS.H.Uペースで始まる。S.H.U SHUの得点で先制すると、 さらにDANが追加点。さらにSHUが相手のファールを誘いFTを得、これを2本沈める。 開始2分、S.H.Uが6-0とリードを広げる。
ちきゅうは#7がジャンパーを沈めるも、S.H.UはKEITAがリバウンドからねじ込み、 さらにDANが得点、点差を広げていく。 この後、ちきゅうが点差を縮めるも、10-6とS.H.Uリードで前半を終えた。
後半開始、ちきゅうのディフェンスが激しさを増す。 S.H.Uは簡単にボールを回せなくなっていく。徐々に点差をつめると、 残り2分41秒、ちきゅう#18がFTを2本決め12-12と同点に追いつく。
お互いに得点をあげ14-15、残り26秒。ちきゅうボールでS.H.Uタイムアウトを要求。 タイムアウト後、ちきゅうのオフェンスは実らず、S.H.Uにチャンス到来。 しかしここで痛恨のターンオーバー。チャンスを生かすことが出来ず。 逆にちきゅう#18がFTを2本きっちり決め14-17とリードを広げる。
最後、S.H.UはSHUが3Pを狙うも外れ、勝負あり。 ちきゅうが19-14で勝利した。
前半リードを奪われながらも、後半ディフェンスで対応し見事逆転。 ちきゅうのゲームと言っていいだろう。
ちきゅうは、新潟代表として初の初戦突破を果たした。

◆一回戦:K-SELECT VS OGN☆ALLSTARS

HITH埼玉王者K-SELECTと、とHITH秦野王者OGN☆ALLSTARSの対決。 国士舘大学をバックボーンとするK-SELECTと、中央大学をバックボーンとするOGN☆ALLSTARS、 共に大学の名を背負っての戦いとなる。負けられない戦いだ。
OGN☆ALLSTARSがインサイド#10のFTで先制するも、 K-SELECTがジャンパーを次々と沈めリードを奪っていく。 11-4と差が広がりOGN☆ALLSTARSがタイムアウトを要求、前半残り2分11秒。
タイムアウト後、OGN☆ALLSTARSは若い#1、#5がIN、流れを変えようとする。 OGN☆ALLSTARSはその#1、#5が得点をあげるも、K-SELECTもインサイドプレイヤー#23が 得点をあげ、追い上げを許さない。17-11とK-SELECTがリードを保ち前半終了。
後半開始、お互いに得点があげられず2分が経過。ファールでゲームが止まる展開。 K-SELECTのファールがかさみ、OGN☆ALLSTARSはFTで点差を徐々につめる。 残り2分13秒、OGN☆ALLSTARSは#88が3Pを沈め19-17と2点差とする。 しかしK-SELECTも#2が3Pを沈め返し突き放す。残り1分45秒、22-17でK-SELECTリード。
残り1分を切る中、OGN☆ALLSTARSは#5が3Pを狙うも入らず。 最後逆にK-SELECTの#2が連続となる3Pを沈め勝負を決めた。
K-SELECTが25-17で勝利、準決勝進出を決めた。

◆一回戦:TOKYO BEAST VS STU-PID

TOKYO STREET SURVIVAL王者同士、TOKYO BEASTとSTU-PIDの対決。
試合開始と同時にTOKYO BEASTが猛攻を見せる、#38 MIHAを中心に得点を重ね 一気にリードを広げる。さらに#409 シュレックがインサイドで得点し8-0まで開いたところで、 STU-PIDがタイムアウトを要求。残り3分0秒。
タイムアウトあけ、STU-PIDが反撃開始。その中心は#2 げっちゅう。3Pを2本連続沈めると、 それに#21 ハヤトも続き、一気に点差を縮めていく。残り59秒1、12-11。 TOKYO BEASTがここでタイムアウトを要求。
タイムアウトの後、TOKYO BEASTは#2 CHINENがジャンパーを沈める。 STU-PIDは#2 げっちゅうが止まらない。3Pを沈めついに14-14の同点。 その後互いに得点をあげ16-16で前半終了。
後半開始、TOKYO BEASTは#3 GOUSHIが得点。 しかしSTU-PIDは#21 ハヤト、#2 げっちゅうが3Pを沈め18-22と一気に逆転。 その後、さらに#18のリバウンドから#2 げっちゅうが得点、18-24。
前半からの勢いそのまま、STU-PIDが一気にゲームを支配するかと思われたが、 TOKYO BEASTもそうはさせず。後半から入った#1 KINGが1on1からレイアップを ねじ込むと、#3 GOUSHIが連続得点、一気に空気を変える。24-24の同点。
STU-PIDは#18が得点するも、TOKYO BEASTも#1 KINGから#3 GOUSHIにパスが 通り26-26、残り1分を切る中で両チームとも譲らない。
ここでTOKYO BEAST、#38がFTを得る。残り8秒同点でのFT、確実に決めたいところだが これを決められず。リバウンドはSTU-PID。 そしてボールはこの試合大活躍を見せる#2 げっちゅうへ。放たれた3Pがリングに沈む! 残り1.7秒。トップの位置から#1 KINGが3Pを狙うも外れ、勝負あり。
STU-PIDが29-26で勝利、激戦を制し準決勝進出を決めた。

◆一回戦:江戸川クラブ VS 零

HITH亀有王者の江戸川クラブと、HITH大阪王者の零の対決。
江戸川クラブ#13 AKIRAが3Pを3本連続で沈め、リードを広げる。 零も#0、#39が得点するもやや固いか。20秒ヴァイオレーションでボールを失う場面もあり、 外角での単発のシュートが目立つ。
その後、零は#22が1on1から切込み得点、江戸川クラブは#8、#12が得点。 リバウンドは江戸川クラブか。前半終了し、15-11で江戸川クラブがリード。
後半開始、零のオフェンスは完全に#22中心に。 #22が得点し15-13、江戸川クラブ#13がジャンパー、3Pを連続で沈め20-13とするも、 零は#22がFTを2/2、リバウンドからゴール下を決め20-17。
互いに得点し、点差は縮まらない時間帯が続く。残り1分を切り22-19、江戸川クラブリード。 零はボールを回し3Pを狙うも決まらず。残り6秒、江戸川クラブボールとなり零、タイムアウト。 ファールゲームへ。ここで江戸川クラブはFTを1/2成功、リードを広げ試合を決めた。
江戸川クラブが23-19で勝利した。

◆二回戦:ISAMU VS ちきゅう

2連覇中の王者ISAMUが登場、ちきゅうは王者の座を脅かすことが出来るか。
試合開始、ちきゅうは#18がゴール下でイージーショットをミス、 ISAMUは#猿 YOSKが3Pをまず1本沈める。ちきゅうはシュートを2度ほどエアー、 しかしISAMUも効果的に得点はあげられず。互いに得点は延びない。 残り3分を切り、3-0とISAMUリード。
ISAMUは完全にYOSKからのオフェンス。1on1から得点をあげていく。 7-3とISAMUリード。ISAMUのディフェンスが力を増しこのまま点差が広がるかと思われたが、 ちきゅう#6がジャンパー、3Pと連続得点でなんと逆転。 7-8とちきゅうリードで前半を折り返す。
後半開始、ちきゅうは#6が得点、7-10。 ISAMU#猿YOSKと、ちきゅう#7が互いにマッチアップする中、お互い得点を重ねていく。 試合が終盤にかかり、ISAMUは#猿YOSKの得点で逆転、さらに#絆の得点で15-12と リードを広げる。残り56秒。
勢いはISAMUかと思われたが、ちきゅう#7がここで3Pを沈める!15-15の同点! しかしその後、残り時間がなくなる中、最後に得点をあげたのはISAMUだった。 王者が1ゴール差の薄氷の勝利、敗退はしたもののちきゅうの健闘が光った試合となった。
ISAMUが17-15で勝利、準決勝進出を決めた。

◆二回戦:勉族 VS 江戸川クラブ

HITH柏王者の勉族が登場。 #1ぬま、#3コヤス、#6仮エース、#96ダークロとメンバーの揃った勉族、 最後のHITH、目標は準優勝と応えながらも狙うは王座だろう。
試合は完全に勉族が空気を作り支配する。 #6仮エース、#3コヤスが気持ち良く得点をすると、#6仮エースから#96ダークロにパスが通り得点。 江戸川クラブは#20が得点をあげるも、ペースを掴めない。
勉族#96ダークロがインサイドを支配、リバウンドをもぎ取っていく。 前半最後、#6仮エースインサイドでボールを受け、ごり押すかのような動作を 見せつつもフェイダウェイ。これが見事に決まり11-4、ここで前半終了。
後半開始、江戸川クラブは#20がリバースレイアップを決めるも、 勉族#3コヤスが連続得点、15-6と点差を広げる。 ここで江戸川クラブタイムアウト。残り3分2秒。
タイムアウト後も勉族ペースは変わらず。 #6仮エースが1on1からジャンパーを沈めれば、外に開いた#3コヤスが3Pを沈める。 #96ダークロが1on1をしてみせ会場を沸かせて、#1ぬまにパス。 #1ぬまはインサイドに切れ込んでから、オープンな#3コヤスへ。コヤスが再び3Pを沈める。
江戸川クラブも#13が3Pを沈め、#6がジャンパーを決めるも追いつかず。 勝負は決した。
勉族が23-13で勝利、準決勝進出を決めた。

◆準決勝:K-SELECT VS ISAMU

試合開始、K-SELECTは#23がインサイドで得点、対するISAMUも#勇がジャンパー。 その後、K-SELECTが順調に得点を重ね8-3と一時リードを広げる。前半残り3分。
しかしISAMUも#鳶が2度のAND1、FTも全て沈め一挙に逆転。#猿YOSKも得点をあげる。 前半最後には#絆がドライブから#23をかわしてレイアップ。難しいシュートを沈める。 K-SELECTはISAMUのディフェンスの前に、中盤以降得点をあげられず。 前半終了、8-15でISAMUがリード。
後半開始、ISAMUは#猿YOSKが1on1からさらに得点。K-SELECTも#7TAKAがジャンパー。 しかしISAMU#獣が3Pを沈める。10-20、ここで点差が2桁点差となりK-SELECTタイムアウト。
タイムアウトあけもISAMUの得点が続き、このまま試合は決まるかと思われたが、 K-SELECTは#2が3連続3P!大爆発で一挙に点差を縮め21-23とする。 さらにここでISAMUに痛いターンオーバー。ボールはK-SELECT、#7TAKAが1on1からドライブ、 得点を決め同点に!残り1分。
ISAMUはオフェンスを#猿YOSKに任せる。#猿YOSKはK-SELECT #7TAKA相手に1on1、 これを見事に制し奇麗にレイアップ。23-35! K-SELECTは最後のオフェンスに賭けるが、これが実らず。
ISAMUは初戦に続き、1ゴール差の薄氷の勝利となった。
ISAMUが25-23で勝利、決勝進出を決めた。
K-SELECTには惜しい敗戦となったが、素晴らしい戦いを見せてくれた。 またのHITH登場を期待したい。

◆準決勝:勉族 VS STU-PID

試合開始と同時に、STU-PID#2げっちゅうがドライブからど派手なダンクをリムに叩き込む! CHAMPIONSHIPではHITH2006のFAR EAST BALLERS大宮以来の試合中ダンクに会場が沸く。 勉族一辺倒になるかと思われた空気を、STU-PIDに引き寄せる。
しかし勉族は揺るがない。#96ダークロがリバウンドから得点すると、 さらに#6仮エース、#3コヤスが得点をあげていく。 STU-PIDも#2げっちゅうのジャンパー、#21ハヤトの3Pで反撃するも点差は開いていく。
#6仮エースが1on1からフェイダウェイ、これがバンクで決まり、さらにファールで得たFTを2/2沈めて 前半終了。18-7で勉族リード。
後半開始、STU-PIDは#21ハヤトがレイアップを決める。 その後、#2げっちゅうが3Pも含め連続得点、点差を21-14と縮める。 やや空気が傾きかけたところで、勉族は#1ぬまがジャンパー。さらに#1ぬまから#3コヤスへ 奇麗にパスが決まり25-14、流れを渡さない。
STU-PIDは外から積極的に3Pを狙い、これは外れるものの、#18や#2げっちゃうが得点をあげ なんとかくらいついていく。勉族の得点が数分止まる中、5点差と点差が縮まり、残り44秒。
勉族は#96ダークロがFTを得る。決めたいFTだがこれを落とす。しかしリバウンドは勉族#1ぬま。 仮エースが1on1からのジャンパーを奇麗に沈め27-20。 STU-PIDは最後、#2げっちゅうがボースハンドのダンクを決めるも、ここで試合終了。
勉族が27-20で勝利、決勝進出を決めた。
STU-PIDも勉族が空気を作る中、健闘を見せた。中でも#2げっちゅうの活躍は観客の心に残ったことだろう。 2年連続ベスト4の結果は素晴らしいという他ない。来年、再びこの舞台に戻ってくることを期待しよう。

■Girl's HOOP IN THE HOOD QUEENS BATTLE
◆SLY☆RABBITS VS SHINKO STARS

試合は女王SLY☆RABBITSが先制、#24がフック、さらに体勢を崩しながらのシュートと連続得点する。 SHINKO STARSも#37がジャンパー、3Pを沈める。 SLY☆RABBITS #24の得点がさらに続く中、SHINKO STARSは外角から#55の3Pシュートが決まる。 互いに得点を重ねる中、前半終了間際、SHINKO STARSはパスが奇麗に繋がり最後ブザービーターを沈める。 10-12でSHINKO STARSがリードし前半終了。
後半開始、SHINKO STARSは#55が3Pを沈め10-15、SLY☆RABBITSも得点を返すも、 さらにSHINKO STARS#55が連続3P!3連続3Pを沈められ12-21と一気に点差が広がる。 SLY☆RABBITS、ここでタイムアウトを要求。残り3分35秒。
タイムアウトあけ直後、SLY☆RABBITSは#24が3Pを沈め、さらに#12も3Pを沈めこれに続く。 しかしここでまたしてもSHINKO STARS#55の3Pが決まる。流れを渡さない。 その後も点差を詰めさせない、#34が連続得点し一気に突き放し勝負を決めた。
SHINKO STARSが30-23で勝利、新女王の座についた。 MVPはこの試合5本の3Pを決めた#55が獲得した。

■新女王の誕生
長くこの座を守り続けたSLY☆RABBITSがついに敗れた。 SHINKO STARSが女王として、来年以降挑戦を受けることになる。 この座を次に狙いにくるのはどのようなチームになるのか。SLY☆RABBITSの復活はあるのか。 今後の女子の戦いに注目したい。

◆決勝:勉族 VS ISAMU

ついに決勝、勝利するのは念願の初優勝を狙う勉族か、 それとも3連覇を目指すISAMUか。
スタートは勉族が#1ぬま、#3コヤス、#6仮エース、#96ダークロ。 ISAMUは、#鳶SANPEI、#勇ISAMU、#絆WAKU、#猿YOSK。

試合開始、まずはISAMU#猿YOSKがジャンパーを沈める。勉族も#96ダークロがインサイドで得点。 リバウンドを勉族が制し、得点に繋げる。ISAMUは外から#絆WAKUが3Pを決める。 前半残り4分20秒、#絆WAKUが2本目の3Pを決め7-10、ISAMUがリード。
勉族は仮エースからインサイドのダークロへパス、これをダークロが決める。 さらにダークロがインサイドで得点。11-10と逆転。 ISAMUは高さに対抗するため、ここで#鳶SANPEIから#獣SHINPEIに交代。
しかし勉族、今度は外から#3コヤスが3P。#6仮エースがジャンパー。 #3コヤスから#96ダークロに入れて得点したかと思うと、今度は再度#3コヤスが3P。 中に外に面白いように得点を決めていく。
ISAMUも#猿YOSKが反撃するものの、21-16と点差が広がり前半終了。

後半開始、メンバーはお互いスタートに戻る。 勉族のオフェンス、#3コヤスの3Pがこぼれたところを#96ダークロがフォロー、 リバウンドから得点する。23-16。
ISAMU、ここでエース#猿YOSKが怪我。一旦ベンチに下がる。 オフェンスの中心を失ったISAMUは、#鳶SANPEIがFTを2/2決め、#勇ISAMUが3Pを沈めるも 勉族の流れを止めることが出来ない。#3コヤス、#6仮エース、#96ダークロが得点を重ねる。
2分経ち、#猿YOSKが戻る。31-21と開いた点差を縮めようと積極的にオフェンス、 3Pを決め、さらに連続得点。35-28とやや点差を縮め、#猿YOSKが空気を作る。残り2分20秒。
勉族のオフェンス、ISAMUはここを1本止めたいところ。 #96ダークロが#勇を背負いじりじりとゴールに近付く。#猿YOSKは自らのマーク#3コヤスを 警戒しつつも#96ダークロのインサイドへのアタックに備えインサイドに寄る。 #96ダークロは、#猿YOSKを引き付けた上で、オープンになった#3コヤスへパス。 ここで#3コヤスは3Pを見事に沈めてみせる。38-28。 ISAMUはタイムアウトを要求。残り2分1秒。
タイムアウトあけ、勉族は#96ダークロが#獣SHINPEIを押し込み得点。 ISAMUも#猿YOSKが3Pを決めるものの、#3コヤスがフェイダウェイを沈め詰めさせない。 このまま点差は縮まらず、勝負は決まった。
勉族が44-33で勝利、初優勝を決めた。 MVPは#1ぬまが獲得した。
ISAMUは3連覇を阻まれたが、また来年挑戦してくれるものと信じたい。 必ずや復活したISAMUとして打倒勉族を目指してくれるだろう。

■勉族
過去準優勝こそあったものの優勝経験がなかった勉族が、ついに優勝を遂げた。 相手は昨年決勝で勉族Jr.を破った相手であり、2連覇中のISAMU。 彼らを相手に勉族の空気を作っての勝利は本当に素晴らしかった。
今回でHITH引退を口にしていた彼らだが、今回の優勝で来年も出場が決まった。 来年の5月5日の勉族を、そして彼らの首を獲り名をあげようと下克上を狙うチーム達を、 楽しみに待とう。